苦難軽減の立党の精神貫きコロナ危機打開 「比例を軸」に総選挙勝利し野党連合政権を 日本共産党府委員会 第80回府党会議を開催
日本共産党大阪府委員会は4月25日、第80回府党会議をオンラインでひらきました。同日、新型コロナ対策で3度目の緊急事態宣言が大阪府などに発令される中、「国民の苦難軽減」という立党の精神を貫いてコロナ危機打開に力を尽くすとともに、総選挙勝利と維新政治打破を目指し、「比例を軸」に党躍進を勝ち取る活動方針を示した府党組織の「総合計画」を全員一致で決定。その実践の先頭に立つ新しい府委員・准府委員を選出しました。
柳府委員長が報告
柳利昭府委員長が「総合計画」案に沿って報告しました。新型コロナ対策について、緊急事態宣言発令に当たって府員会が発表したアピールに基づいて、暮しと経済に甚大な影響が避けられない3度目の宣言はまさに「人災」であり、菅政権と吉村府政の責任は極めて重いと批判。医療崩壊の危機打開と感染拡大封じ込めへ、行政が大規模検査と補償の抜本的拡大に本気で取り組むことが急務だとし、党派や立場の違いを超えた連携を呼び掛けました。
10月の任期満了を控え、解散・総選挙がいつあってもおかしくない情勢にある中、市民と野党の共闘の勝利で自公政権とその補完勢力である維新を少数に追い詰め、野党連合政権を樹立するために総力を挙げると同時に、比例代表で「大阪80万票・得票率20%以上」「近畿180万票・得票率20%以上」を実現し、近畿比例4議席の絶対回復はじめ党自身の躍進を勝ち取ろうと強調。そのためにも対話・党勢拡大の「総選挙躍進特別期間」(5月末まで)の成功へ全力を挙げようと訴えました。
代議員の討論では各会場を結んで西田さえ子近畿比例候補、かわそえたつま大阪7区候補、かみの淳一大阪13区候補ら14人が発言。新型コロナ対策の強化、政治や社会についての青年の変化、コロナ禍の下で「支部が主役」の党活動をいかに進めているかなどについて、活発に交流しました。
国民の命と暮らし守る
清水ただし衆院議員が国会報告
政権と維新の責任は重大だ
JR福知山線の脱線事故(2005年4月25日)から16年目を迎えたこの日。清水氏はまず、亡くなった107人の人々の冥福を祈るとともに、遺族にお悔やみを申し上げたいと述べました。
さらにこの日から新型コロナ対策で3度目の緊急事態宣言が発令されました。清水氏は「この間、やるべきことをやってこなかった菅政権と維新政治の責任は極めて重大。今度こそ国民、府民の命と暮らしを守る手立てを、しっかり取らせていくことが求められる」と強調しました。
ワクチン接種がなかなか進まない中、新型コロナの感染防止対策を一層強めることが必要だとし、日本共産党の4つの提案①PCR検査体制の抜本的な強化②医療機関への財政支援③すべての事業者への十分な補償④東京五輪・パラリンピックの中止を示しました。
後半国会の焦点となっている、75歳以上の医療費窓口負担の2倍化や病院統廃合、菅政権が目玉政策としているデジタル改革関連法案などの問題点を示し、世論と運動を広げて廃案を求めようと力説。福島第一原発の汚染水を海洋放出することを、漁業関係者との約束をほごにして一方的に決定するなど、菅政権の強権ぶりを批判しました。
衆院任期まで半年を切った
「衆院議員の任期まであと半年を切った」と清水氏。総選挙で菅自公政権を倒し、維新政治を打ち破り、国民の命と暮らしを守るために野党連合政権を実現しようと述べました。今年度当初予算の組み替え動議を立憲民主党などと共同で提出するなど、国会での野党共闘は引き続き発展していると報告。憲法審査会では改憲勢力が狙う改憲手続き法の採決を8国会連続で阻止しているとし、「間もなく74回目の憲法記念日。『9条守れ』の声を結集し、自民・公明・維新の改憲勢力を包囲しよう」と呼び掛けました。
清水氏は、昨年9月の総理指名選挙では、すべての野党が立憲民主党の枝野幸男代表に投票し、政策的な違いを認め合いながら、立憲主義を取り戻すという大きな目標に向け、互いにリスペクトの精神で共同を進めてきたと述べました。
2017年総選挙では、改憲二大勢力による民主主義破壊の危機を打開するため、日本共産党は捨て身で野党共闘に臨み、議席は減らしたが、悪政追及と国民の苦難軽減、要求実現、共闘前進へかけがえのない役割を果たしていると強調しました。
「対話の力」を最大限発揮し
定数28の衆院比例近畿ブロックで4議席回復を必ず実現するために、昨年の住民投票で「大阪市つぶし」という維新の野望を打ち破った「対話の力」を総選挙でも最大限発揮し、「比例は共産党」の支持の大波を今からつくろうと述べ、小選挙区候補、支部の党員、地方議員と心一つに力を合わせて、全力で奮闘する決意を述べました。
青年の中にも飛び込み
宮本たけし前衆院議員が決意
宮本氏は近畿オンライン演説会(3月20日)で志位和夫委員長が、「近畿での躍進なくして全国の躍進なし。何としても現有2議席から4議席へ」と訴えたことをあらためて紹介し、「近畿で180万票、大阪で80万票という比例代表の目標を正面にすえ、わき目も振らず頑張り抜く」と切り出しました。
菅政権が4月13日の関係閣僚会議で、東京電力福島第一原発の汚染水を海洋投棄することを決定したことに言及しました。
宮本氏は、街頭宣伝でこの問題を訴えると、高校生も真剣に耳を傾け関心を持って聞いてくれたとし、「まさに未来に関わる大問題。2年後をめどに投棄するということは、総選挙で野党連合政権をつくり決定をひっくり返せば、阻止できる」と力を込めました。
宮本氏は「語れば語るほど、高校生をはじめとする10代の若者も耳を傾けてくれる。これがこの間の活動の確信。青年の中にも打って出て、大いに対話や支持を広げ、必ず近畿から4人以上、国会に戻る決意です」と締めくくりました。
野党代表がメッセージ
第80府党会議では立憲民主党府連代表の辻元清美衆院議員がメッセージ(代読)を、社会民主党の大椿ゆうこ副党首がメッセージ動画を寄せました。
命と暮らし守るため知恵と力を絞りたい
立憲民主党 辻元氏
辻元氏は、昨年9月に合流新党として新たに結党し、ことし1月の党大会で決めた基本方針では、新型コロナとその影響で明らかになった日本社会の弱さともろさから国民の命と暮らしを守るとともに、機能する政府をつくるために政権交代の選択肢となるという2つの目標を掲げたことを紹介しました。
政府のコロナ対策では感染抑制と感染対策の波が繰り返され、国民生活や経済に深刻な影響を与えていると批判。感染対策の徹底を最優先に、目の前の国民の命と暮らしを守るために地道に全力で取り組むため、知恵と力を絞りたいと述べ、「府党会議を機に、日本共産党大阪府委員会の皆様がますます団結を深め、さらなる発展をされることを祈念します」と結びました。
政権交代を目指して本気で共闘進めたい
社会民主党 大椿氏
大椿氏は、日本共産党は野党統一の場をつくろうと先頭に立っていると述べ、「野党共闘なくして政権交代はあり得ないという思いを一緒にしています」とあいさつ。合流問題を経て活動する新生社民党も、若い人や女性、さまざまなマイノリティーの人などを共産党が党に迎えていることに学びながら、頑張っていきたいと述べました。
非正規労働者として雇止め・解雇された経験を持つ当事者だと自己紹介。コロナ禍で10万人以上が雇い止め・解雇され、多くのパート・アルバイトの人たちが実質的失業状態の中、「いまの働き方、政治のあり方を、共産党の皆さんと一緒に変えていきたい。野党共闘で、皆さんと共に政権交代を本気で目指して頑張りたい」と話しました。
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府党会議で選出された府委員・准府委員による第1回府委員会総会で選出された府委員会3役・常任委員は次の各氏です(敬称略)。
委員長=柳利昭▽副委員長=太田いつみ、辰巳孝太郎、中村正男、渡部結▽書記長=駒井正男▽常任委員=伊木知史、今泉和幸、大西淳子、角井勇樹、小林裕和、谷藤久、中野敏、能勢みどり、長谷川良雄(以上再)、田中浩美、平山貴士(以上新)
(大阪民主新報、2021年5月2日・9日号より)